2007年7月22日日曜日

歌仙『蓮花』の巻

短歌を連ねる連歌を意識して


    RENGA <蓮花の巻>
                     2007.7.12〜2007.7.21

1&2    不忍池に蓮の花ひらく
          パイプオルガン響む夏の日   面白  夏
3&4    大作の塑像にいどむアトリエに     
          ぬぐと意外にたくましい人   春蘭  雑
5&6    負試合スコアボードに月の暈
          案山子に持たす切れたラケット 水竿  秋月

7&8    露散らす鳥の羽音も遠ざかり
          万聖節の闇に溶け行く     草栞  秋
9&10    蝋燭のあかりを揺らす子守歌
          文庫に老いて睡る恋文     木槿  雑恋
11&12    引越しの時にもらったラムネ玉
          水中に消え今はいずこか    青波  雑恋
13&14    約束の冬三つ星を差す指に
          見慣れぬ指輪みとめたるけふ  酔姚  冬月恋
15&16    シネコンの前を黙して通り過ぐ     
          ファンタジーなぞ解さぬ人と   白  雑
17&18    滝壺にころも織りなす山ざくら
          天つ少女のほほも染むらん    蘭  春桜
ナオ
1&2    雛菓子の色とりどりを掌に
          女系三代笑ひ転びつ       姚  春
3&4    噺家もタネに困つてブログ読み
          俄か仕立の落ちでよろしく    栞  雑
5&6    蹲踞のかたえにおかる古柄杓
          古刹の仁王木目あらわに     竿  雑        
7&8    刀鍛冶阿吽の呼吸合わせんと
          額に流す汗のきらめき      波  夏
9&10    にはいぢりしてゐる君のよこがほに
          ふとよみがへるあのころのこと  蘭  雑恋
11&12    酒飲めばいとど寝られぬ男にて
          フィヨルドの月振り捨てて来し  槿  秋月
ナウ 
13      やや寒にがたつく扉叩き閉め      竿  秋
14         粋な寿司屋は酢の加減よし    姚  雑
15      新海苔の巻具合すら座の肴       白  冬
16         柱時計の古りて艶々       槿  雑
17      かねて聞く花の道にぞ今発ちぬ     栞  花春
18         同行二人陽射しうららか     波  春

                    (捌き 面白)

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