2007年8月30日木曜日

稲妻

 いなづまやでんき待ち侘ぶ闇の町


近隣に落雷があり停電した。雷雨が去ってわさわさと闇の通りに出てくる人々。電力会社は復旧に苦労しているようだ。家で蝋燭のともしびも情緒があるがなにもできない。二時間後やっと復旧したが、風呂が着かない。ガス風呂給湯器の基板がいかれたらしい。翌日、基板を交換してもらい復旧。35000円(^^;)、でも全取っ替えでなくてよかった。

業者が火災保険をチェックしろという。たいてい落雷による電気器具の損傷も対象になっているはずだと。保険の約款をはじめてみたらたしかに落雷も書いてある。だめもとで保険会社に給付請求をした。東京ガスの社員はこういうサジェスションをしないんだよね〜とその業者は得意顔だが、どうなることやら。

雷は電気のはずだが、その電気で電気が止まるとは。雷を電気として利用することはできないのか、雷は荒ぶる電気でそれをしずめないと普通の電気としては利用できないか? ものを知らないおやじの素朴な疑問。

牽牛花





 青く咲き閉ぢつつ赤む牽牛花


先日までの猛暑がうそのように、今朝はすずしい。庭では虫のこえがひときわ高い。中垣に伸びていった朝顔が青い花を一面に咲かせている。しばらくして閉じてくると赤みを帯びるのが人生のようでもあり面白い。

2007年8月27日月曜日

ねたばれ:ハリーポッター大団円

ハリー・ポッターの最終巻「Harry Potter and the Deathly Hallows(Harry Potter 7)」については、発売前からねたばれ情報が乱れ飛んだが、誰が死ぬかがメインであった。興味は半減したが、エラップス1ヶ月で読んだ。

前巻ではダンブルドアがスネイプにより殺されるというショッキングな事件があった。ダンブルドアは本当に死んだのか。スネイプにダンブルドアが自分を殺してくれるように直前に依頼しているのはなぜか。スネイプは本当にダーク・サイドなのかという大きな疑問が残っていた。これらは最終巻の最後の方で夢か幻かハリーの前にダンブルドアが現れてあきらかになる。

●ダンブルドアは本当に死んだ。
 ハリーがベルデモートにヒットされたとき朦朧としていたハリーの頭の中にダンブルドアが限りなくリアルに出現し、ダンブルドアは生きていたとハリーや読者に思わせる場面がある。

●スネイプはダンブルドアのスパイであった。
 スネイプは子供の頃からハリーの母リリーを愛していた。リリーの遺児ハリーを守るため、スネイプとダンブルドアは盟約を交わしていた。

●死期を悟ったダンブルドアはスネイプに後事を託し、自分をみんなの前で殺してくれるように依頼した。そうすることによりダーク・サイド側がスネイプに疑いを一切持たないようにしたのだった。

●死の秘宝
 死の秘宝とはエルダー・ワンド(Elder Wand(魔法の杖))、復活の石(Resurrection Stone)、見えない外套(Cloak of Invisibility)でダンブルドアが若い頃友人と探し当てたらしい。見えない外套と復活の石(スニッチの中にある)はハリーの手中にあるが、エルダー・ワンドはベルデモートの手にあった。ダンブルドアの墓からゲットしたらしい。

●七番目のホークラックス(分霊箱)はハリーの体の中に隠されていた。
 ベルデモートの魂が分割されて保管されているホークラックスはあと三つ残っていたが二つは破壊された。最後のホークラックスはなんとハリーの体の中に埋め込まれていた。ハリーとベルデモートがお互いに相手の心を読めるのはこれが理由だった。

●ルピンはダークサイドとの戦いで亡くなる。ドビーは危機にあったハリーたちを救出して亡くなる。ドビーは人ではないがハリーや読者のあわれを誘う。

●スネイプはベルデモートにより殺される。エルダー・ワンドは、前の所有者を殺したものが所有することで一番威力を発揮する。エルダー・ワンドを持っていたダンブルドアを殺して最後に所有したのがスネイプとベルデモートは見たからであった。しかしこの殺人は依頼であってあてはまらず、ベルデモートの持つエルダー・ワンドの威力は最大にはならなかった。エルダー・ワンドの最後の所有者はダンブルドアから取り上げたドラコ・マルフォイということになるらしい。

●ハリーは自分が七番目のホークラックスであることを悟り、死を覚悟しベルデモートに無抵抗でヒットされるが死ななかった。

●ベルデモートはハリーをヒットしたが、その攻撃が自分自身へのリバウンド(跳ね返り)となり死ぬ。

●19年後
 ハリーとジニーは結婚し3人の子供(ジェームス、リリー、アルバス)がいる。ロンはハーマイオニーと結婚し2人の子供(ローズ、ヒューゴ)がいる。子供たちがホグワーツ魔法学校に向かうところで大団円となる。ハリーとロンの仕事については言及がないようだが、魔法省のサラリーマンだろうか。

著者は最終巻で重要人物が二人死ぬと言っていたが、スネイプとルピンのことか。ベルデモートはダークサイドの主人公だが、人物と言うには霊的で怖すぎる(^^) 

著者ローリングさんへ感謝。この六年間楽しませていただきました。ありがとう。

歌仙「春蘭山居」の巻

歌仙「春蘭山居」巻
スタート 平成十九年六月二十八日
ゴール  平成十九年八月三日

発句  郭公を耳に草刈る山居かな        蘭 夏
脇     庄内おぼこサクランボ熟れ      兔 夏
第三  大勢の踏切急ぎ間ゆるりにて       倭 雑
四     碁会所へ行く孫の来ない日      寅 雑
五   躓けば月ゆれている岡遠く        青 秋月
折端    渡る舟降り野菊に出合い       侘 秋

折立  椋鳥が那珂の瀬に居る日暮れ時      兔 秋
二     薄灯ちらほら揺れ揺れめいて     倭 雑
三   頬染めて君と乗ったね観覧車       寅 恋
四     須磨の海辺を歩いたことも      青 恋
五   風に乗る淡いスカート舞い可愛い     侘 恋
六     ポスター溢れ選挙公示日       兔 雑
七   神留守居正心之保持難無垢心       倭 冬
八     寒月照らすペテン師の肩       寅 冬月
九   唐突に垣の向こうでバッハ鳴る      青 雑
十     山の香含む遠野の小川        侘 雑
十一  花明かり仏喰いたる魚が浮く       兔 春花
折端    残り雪ツンとつつく幼女子      倭 春
ナオ
折立  春の虹分校の屋根跨ぎ行く        寅 春
二     鞄重たく郵便配達          青 雑
三   宵深くつまみ作るも相手なし       侘 雑
四     吾が家の猫もスヤスヤ眠り      兔 雑
五   ラムネ瓶、陽に透かし見ゆ実母仕草    倭 夏
六     車椅子押す木陰涼しき        寅 夏
七   懐に便箋の文字匂い立つ         青 恋
八     歩けば探す銀色ブレス        侘 恋
九   占いは上々吉日これで行く        兔 恋
十     悲しみ顔の薄紅の月         倭 秋月
十一  団体で赤とんぼ飛ぶ観光地        寅 秋
折端    コスモス畑に下駄を落として     青 秋
ナウ
折立  肌寒さ夕風さらに脇をぬけ        侘 秋
二     何故か淋しい安倍の晋三       兔 雑
三   武士をさらとあしらうみやびびと     倭 雑
四     二枚の舌はいとも滑らか       寅 雑
五   ぼんぼりの灯影に隠れ花舞いて      侘 春花
挙句    春月上る千年の古都         青 春





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
投票による選句結果

梅雨入やなにを好んで山籠り   3 25.00%
刈草のけむり入り込む車窓かな  0 0.00%
郭公を耳に草刈る山居かな    4 33.33%
夏沢の汗はいのちや滝の音    2 16.67%
崖の草食む羚羊や雲の峰     2 16.67%
五月雨や生ごみ捨てに出る女   0 0.00%
とどくうち高枝伐らん時鳥    1 8.33%
蕎麦打つて独り食みをり青時雨  0 0.00%
かるがもの池にくつろぐ植田かな 0 0.00%
夏あざみ落ちゆく径の稚児落し  0 0.00%

2007年8月26日日曜日

吾亦紅








冬瓜や黒き板の間とほる風
ゆふがほの実の大きさの定まらず
山の湯の青きたたみやとろろそば
骨董屋つばめの巣には五つの子
ゆだち過ぐ葭簀のつゆに蜂のかげ
石走る吐龍の滝や常乙女
森の背にうつろふ雲や夏野原
客送る山の露店のまくはうり
蝉しぐれ二泊三日の客帰る
草刈り機手慣らす姥の山田かな
沢蟹の子らの子生(あ)るる流の泥
ひぐらしやにじます燻すドラム缶
忘れじの丘の鐘鳴る吾亦紅
さそはれて路ふみたがふ花野かな
湿原や清水とくとく白樺(かんば)

2007年8月1日水曜日

歌仙『蛍火も』の巻

  歌仙「蕪村づくし一千句」巻

         スタート 平成十九年六月二十八日
         ゴール  平成十九年八月一日

発句 蛍火もあつめて明し一千句      蘭 夏 
脇     祝いの酒に酔いし夏の夜    修 夏
第三 母衣蚊帳の小さき人が欠伸して    奴 夏 
四     いつもどおりに聞かすチャルメラ狸  
五  並び居る猫の月見やトタン屋根    光 秋月
六     里芋煮てる蓋はぽこぽこ    智 秋
ウ 
一  一叢の薄を刈りて店に出し      修 秋  
二     打ち損ないの鐘は小僧か    蘭 
三  町は今なからいさんに痺れ果て    狸 恋 
四     見つめられると毀れてしまう  奴 恋  
五  新任の教師金髪銀の爪        智 恋   
六     白雄詠いし遥か筑波嶺     光 
七  北颪田んぼの道で犬と尿       蘭 冬 
八     月を背にする雪坊主なり    奴 冬月
九  太陽が治してくれるメタボリック   修
十     五条大橋ひらり義経      光 
十一 小櫃川なぜか近江の花咲いて     狸 春花
十二    お玉杓子を赤いバケツに    智 春

一  茶の湯者のまぶた重たき春の果    奴 春 
二     水琴窟の響む奥庭       蘭 
三  故郷はさねさし相模富士望む     光
四     戦後外交この縣より      修 
五  炎天のタラップに立つ紅毛人     智 夏
六     炭吊るすならそれで風鈴    狸 夏
七  けし壷におよばぬ恋の燠入れて    蘭 恋 
八     彼の労作テキストを抱く    智 恋
九  さっきから呼ばわる声は例の婆    奴
十     神田山跡並ぶ古書店      光
十一 月光に白刃かざし足軽衆       修 秋月
十二    自然藷出たの背なでかくして  狸 秋
ナウ 
一  羅生門案山子を立てて目印に     光 秋
二     旗になびけるバスの団体    蘭
三  デズニーはいいやとひとり新木場へ  狸
四     何を求めているのだろうか   修
五  弘川寺花の盛りの午後3時      智 春花
挙句    その望の日の種々の質草    奴 春

休み

  毎日が日曜日にもある休み