2007年8月1日水曜日

歌仙『蛍火も』の巻

  歌仙「蕪村づくし一千句」巻

         スタート 平成十九年六月二十八日
         ゴール  平成十九年八月一日

発句 蛍火もあつめて明し一千句      蘭 夏 
脇     祝いの酒に酔いし夏の夜    修 夏
第三 母衣蚊帳の小さき人が欠伸して    奴 夏 
四     いつもどおりに聞かすチャルメラ狸  
五  並び居る猫の月見やトタン屋根    光 秋月
六     里芋煮てる蓋はぽこぽこ    智 秋
ウ 
一  一叢の薄を刈りて店に出し      修 秋  
二     打ち損ないの鐘は小僧か    蘭 
三  町は今なからいさんに痺れ果て    狸 恋 
四     見つめられると毀れてしまう  奴 恋  
五  新任の教師金髪銀の爪        智 恋   
六     白雄詠いし遥か筑波嶺     光 
七  北颪田んぼの道で犬と尿       蘭 冬 
八     月を背にする雪坊主なり    奴 冬月
九  太陽が治してくれるメタボリック   修
十     五条大橋ひらり義経      光 
十一 小櫃川なぜか近江の花咲いて     狸 春花
十二    お玉杓子を赤いバケツに    智 春

一  茶の湯者のまぶた重たき春の果    奴 春 
二     水琴窟の響む奥庭       蘭 
三  故郷はさねさし相模富士望む     光
四     戦後外交この縣より      修 
五  炎天のタラップに立つ紅毛人     智 夏
六     炭吊るすならそれで風鈴    狸 夏
七  けし壷におよばぬ恋の燠入れて    蘭 恋 
八     彼の労作テキストを抱く    智 恋
九  さっきから呼ばわる声は例の婆    奴
十     神田山跡並ぶ古書店      光
十一 月光に白刃かざし足軽衆       修 秋月
十二    自然藷出たの背なでかくして  狸 秋
ナウ 
一  羅生門案山子を立てて目印に     光 秋
二     旗になびけるバスの団体    蘭
三  デズニーはいいやとひとり新木場へ  狸
四     何を求めているのだろうか   修
五  弘川寺花の盛りの午後3時      智 春花
挙句    その望の日の種々の質草    奴 春

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