2007年8月27日月曜日

歌仙「春蘭山居」の巻

歌仙「春蘭山居」巻
スタート 平成十九年六月二十八日
ゴール  平成十九年八月三日

発句  郭公を耳に草刈る山居かな        蘭 夏
脇     庄内おぼこサクランボ熟れ      兔 夏
第三  大勢の踏切急ぎ間ゆるりにて       倭 雑
四     碁会所へ行く孫の来ない日      寅 雑
五   躓けば月ゆれている岡遠く        青 秋月
折端    渡る舟降り野菊に出合い       侘 秋

折立  椋鳥が那珂の瀬に居る日暮れ時      兔 秋
二     薄灯ちらほら揺れ揺れめいて     倭 雑
三   頬染めて君と乗ったね観覧車       寅 恋
四     須磨の海辺を歩いたことも      青 恋
五   風に乗る淡いスカート舞い可愛い     侘 恋
六     ポスター溢れ選挙公示日       兔 雑
七   神留守居正心之保持難無垢心       倭 冬
八     寒月照らすペテン師の肩       寅 冬月
九   唐突に垣の向こうでバッハ鳴る      青 雑
十     山の香含む遠野の小川        侘 雑
十一  花明かり仏喰いたる魚が浮く       兔 春花
折端    残り雪ツンとつつく幼女子      倭 春
ナオ
折立  春の虹分校の屋根跨ぎ行く        寅 春
二     鞄重たく郵便配達          青 雑
三   宵深くつまみ作るも相手なし       侘 雑
四     吾が家の猫もスヤスヤ眠り      兔 雑
五   ラムネ瓶、陽に透かし見ゆ実母仕草    倭 夏
六     車椅子押す木陰涼しき        寅 夏
七   懐に便箋の文字匂い立つ         青 恋
八     歩けば探す銀色ブレス        侘 恋
九   占いは上々吉日これで行く        兔 恋
十     悲しみ顔の薄紅の月         倭 秋月
十一  団体で赤とんぼ飛ぶ観光地        寅 秋
折端    コスモス畑に下駄を落として     青 秋
ナウ
折立  肌寒さ夕風さらに脇をぬけ        侘 秋
二     何故か淋しい安倍の晋三       兔 雑
三   武士をさらとあしらうみやびびと     倭 雑
四     二枚の舌はいとも滑らか       寅 雑
五   ぼんぼりの灯影に隠れ花舞いて      侘 春花
挙句    春月上る千年の古都         青 春





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投票による選句結果

梅雨入やなにを好んで山籠り   3 25.00%
刈草のけむり入り込む車窓かな  0 0.00%
郭公を耳に草刈る山居かな    4 33.33%
夏沢の汗はいのちや滝の音    2 16.67%
崖の草食む羚羊や雲の峰     2 16.67%
五月雨や生ごみ捨てに出る女   0 0.00%
とどくうち高枝伐らん時鳥    1 8.33%
蕎麦打つて独り食みをり青時雨  0 0.00%
かるがもの池にくつろぐ植田かな 0 0.00%
夏あざみ落ちゆく径の稚児落し  0 0.00%

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