2008年1月31日木曜日

自由連句『硝子壜』の巻










    自由連句『硝子壜』の巻  
                2008.1.26〜31


発句  硝子壜中の帆船の春めける      遊 
2    落ちて響めく屋根の残雪      蘭
2    雛の飾りの横に置かれて      波
2    林にすける残雪の山        蘭 
3   蔵開き新酒はじから試飲して     蘭 
4    三十郎はよろりよろりと      波 
5   気の若いたましひやどる六十路坂   蘭 
6    今日のお散歩どこまで行こか    亮
6    小鳥パーチクすみれむらさき    亮
6    粋なベレーをチョイと斜めに    亮  
7   ようやっとカンバス立てて描き始め  波    
7   後ろからそつとのぞけばまともな画  蘭
8    レンズの列の狙ふカワセミ     蘭
8    口ぱくぱくと群れる黒鯉      蘭
9   これやこのセンター試験リスニング  遊
10   首相になれば同時通訳       遊
11  代々の家業受け継ぎボロがでる    波
12   切れて啖呵のをなご先生      蘭
13  片肌を脱げば背中の鯉おどる     波
14   それも魅力のまな板の上      亮
14   大きな口にこの身吸われて     亮    
14   地には若草初孫誕生        亮
14   一寸先は滝壺の待つ        亮
15  大望を乗せて都へ椀の舟       蘭   
16   国を出たとき桜満開        波
17  親方につら魂を見込まれて      蘭
18   左四つでモンゴル撃破       波
19  神ならば神風吹かせ助けませ     蘭
19  玉串をたけみかづちの神前に     蘭
19  責任を果たせ祝杯なみなみと     亮
19  恋人の笑顔ドデカイ勲章だ      亮
20   生きる喜び君あればこそ      蘭
21  思ひ出の白樺林セピア色       波
21  就寝の儀式に飲むは養命酒      亮
21  当選の信じられない宝くじ      亮
21  ガラポンで温泉旅行引き当てて    亮
22   やたらに多いトイレ休憩      蘭
23  即席のコーヒー淹れつつする勤務   蘭
     窓際消える制度改革        蘭
23  向うから美人が連れた犬が来る    波
24   お犬様用お衣装着けて       亮
24   すれ違いさま軽いジャブなど    亮
24   シャナリシャナリとお澄まし上手  亮
24   可愛いですね先ずは声かけ     亮
25  若草に匂へる母子の乳母車      蘭
26   三好達治の詩を懐かしむ      亮
26   泣いた笑ったあんよは上手     亮
26   この子の未来今日の青空      亮
26   日記家計簿夜のパソコン      亮
27  マイミクも少ないうちはいいけれど  蘭
28   モノには限度老兵は消ゆ      亮
28   ショートケーキをどう切り分ける  亮
28   あれもこれもで片付かぬ部屋    亮
29  整頓は使わぬものを捨てるとて    蘭
29  ごみ場には家よりきれいな物ばかり  蘭
30   目移りするもじつとこらへる    蘭 
31  マラソンの高校生が土手の上     亮
31  マラソンの女子校生が土手の上    波
31  お茶供え線香揺らすご仏壇      亮
31  諦観の人生である丈夫な歯      亮
32   かめばかむほど味はあるもの    蘭              
33  花見酒さしつさされつあたりめさいて 遊
34   紋次郎には妻楊枝あり       遊
34   飲めぬ私は座布団ほしい      遊
35  じっくりと上方落語聴く夜更け    亮
35  日かげれば雀時色たちまちに     亮
35  溜まってる新聞広げ訃報欄      亮
35  愚痴ぼやき聞き上手さへ眠くなり   蘭
36   惚けたころに臥待の月       白

2008年1月28日月曜日

歌論『新撰髄脳・近代秀歌』


藤原公任『新撰髄脳』
 
「およそ歌は心深く姿清げに、心にをかしき所あるをすぐれたりと云ふべし。こと多く添へくさりてやと見ゆるがいとわろきなり。一すぢにすくよかになむ詠むべき。心姿相具することかたくは、まづ心をとるべし。つひに心深からずは、姿をいたはるべし。そのかたちを云ふは、うち聞き清げにゆゑありて、歌と聞え、もしはめづらしく添へなどしたるなり。」


藤原定家『近代秀歌』

「やまとうたの道、浅きに似て深く、やすきに似てかたし。わきまへ知る人又いくばくならず。むかし、貫之歌の心たくみに、たけ及びがたく、詞強く姿面白き様を好みて、余情妖艶の体を詠まず。それよりこのかた、その流を受くるともがら、ひとへにこの姿におもむく。ただし世くだり、人の心劣りて、たけも及ばず、詞もいやしくなりゆく。いはむや近き世の人は、ただ思ひ得たる風情を三十字に云ひ続けむことをさきとして、さらに姿・詞のおもむきを知らず。これによりて、末の世の歌は、田夫の花の陰を去り、商人の鮮衣を脱げるがごとし。」

「詞は古きを慕ひ、心は新しきを求め、及ばぬ高き姿を願ひて、寛平以往の歌にならはば、おのづからよろしきこともなどか侍らざらん。」 

注:
 寛平 889年〜897年。ほぼ宇多天皇の時代。以往は以前の意。寛平
    以前としていわゆる六歌仙時代を指すと考えられている。

 六歌仙『古今和歌集仮名序』において紀貫之が挙げた僧正遍昭、在原業平、
    文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大伴黒主を指す。 

参考文献
『日本の文学 古典編 歌論 連歌論 連歌』奥田勲校注、ほるぷ出版、昭和62年


写真提供はフォト蔵さん

2008年1月26日土曜日

自由連句『初氷』の巻












     自由連句『初氷』の巻
                  2008.1.19〜26

発句  初氷子供に還り割ってみる       青波
2    冬ソナまねて結ぶ襟巻        春蘭
3   エコロジー家の暖房セーブして      蘭
4    my箸持ちて蕎麦屋の暖簾       遊
5   偽がなくばやはり餅屋は餅屋なり     蘭
6    賞味期限?何の是式          同 
6    賞味期限はいつから施行?       波 
7   うぶごゑは戦後の御世のはやいころ    蘭
8    育ちのわるさかくす物腰        同      
8    空調完備図書館の主          同       
8    小さな夢で未来予想図         同      
8    乳離れしてもう親離れ         遊
9   鷹の子は鋭い爪で兔獲る         波
10   冷や汗ぬぐふ厄の野ねずみ       蘭
11  年金は六十五からと知らされて      同    
11  還暦は働き者のねずみ年         遊  
12   のんびりできぬさがぞかなしき     蘭  
13  露天風呂紅葉一葉落ちてくる       波
14   湯から上がればすぐ濡れ落葉      遊
15  月天心貧しき町を通りけり       蕪村
16   ねこじゃらし触れ痒くなる顔      遊
17  いぬの尾にきもち読みつつすれ違ひ    蘭
18   夕かはべりの散歩にぎはふ       同    
18   谷あいの橋ゆれつつ渡る        波  
19  あらまさか曽良に激似の六部笠      蘭
20   道々おもて伏せて留め帳        同     
20   デジカメ無くて証拠不十分       遊
21  妻帰る問はずがたりを受け流し      蘭
22   マシュマロふたつ浮かべブラック    同  
22   せっせせっせと瓢箪磨く        波
23  花おもひ冬のうちから場所定め      蘭
24   プランどほりにいかぬデートよ     同
25  優しさはあれど足りない頼もしさ     同   
25  ばらの棘恋は思案のほかでしょう     遊
26   少年少女老い易くして         同
27  マシュマロのやさしさを入れコーヒー吹く 遊
28   甘さにがみにとけしおもざし      蘭
29  トレンチの襟立て紫煙くゆらせる     同
30   女去り行く足音高く          波
30   過ぎ行くままにカサブランカ      遊
31  ピカピカの男の時代終わったか(阿久悠) 波
31  7月の花の香りにめまひする       同
32   思ひのほかに遠き湿原         蘭
33  緑陰の欄外歩む心地して         遊
34   ふとめざめれば颪なくこゑ       蘭
35  氷柱ひかる山は近づきまた遠のき    木槿
36   ざらめの雪に透ける蝋梅        蘭
36   脂肪蓄へ熊春を待つ          波


写真提供はフォト蔵さん

2008年1月19日土曜日

湯山三両独吟『うす雪の』の巻




湯山三吟百韻                
 賦何人連歌             湯山三両独吟『うす雪の』の巻
                         
うす雪に木葉色こき山路かな  肖柏 うす雪のあし跡たどる山路かな  春蘭
 岩もとすすき冬やなほみん  宗長  消えがてにふる思草の上    面白
松虫にさそはれ初めし宿いでて 宗祇 わが屋戸にゆふの紅葉の映えそめて 蘭
 さよ更けけりな袖の秋風    柏  震えるごとき松虫の声     未竿
露さむし月の光やかはるらん   長 秋さびし月耿々とさしをれば    白
 思ひもなれぬ野べの行すゑ   祇  ひとりかりねに思ふ行すゑ    蘭
かたらふもはかなの友や旅の空  柏 ふく風にうつろふ友や旅の空    白
 雲をしるべのみねのはるけさ  長  越すもはるけきみねちかくみゆ  竿

うきはただ鳥をうらやむ花なれや 祇 人はまづ雲井の花をもとむらん   蘭
 身をなさばやの朝ゆふの春   柏  鳥の通ひ路かすみの奥に     白
ふる里も残らずきゆる雪をみて  長 朝ぼらけ雪解の里にたつけむり   蘭
 世にこそ道はあらまほしけれ  祇  民の草葉に埋もるるもよし    白
何をかは苔のたもとに恨みまし  柏 温暖化できることより始めんと   竿
 すめば山がつ人もたづぬな   長  自然のままにさ庭うちおく    蘭
名も知らぬ草木のもとに跡しめて 祇 名にしおふ山川とほく隔るとも   白
 あはれは月になほぞそひ行く  柏  こころあまねく照らす月かな   蘭
秋のよもかたる枕にあけやせん  長 しらしらとあけゆく閨の秋立ちて  白
 思の露をかけし悔しさ     祇  露の逢瀬のあとのむなしさ    蘭
たがならぬあだのたのみを命にて 柏 指切りも口約束もまたも反故    竿
 さそふつてまつ侘人ぞうき   長  されど侘しくさそひまつわれ   白
すみはなれ今はほどさへ雲ゐぢに 祇 たちきれずえにしの糸の忍ぶ摺り  蘭
 入りにし山よ何かさびしき   柏  みちのおくにぞ庵むすばむ    白
二オ
わきてその色やは見ゆる松の風  長 茶釜より松籟これも千の風     蘭
 いづみを聞けばただ秋のこゑ  祇  つくばいあふるすみわたるみず  竿
蛍飛ぶ空によぶかく端居して   柏 甘露水ほたるも知るや方違     白
 もの思ふ玉やねんかたもなき  長  なさけなかけそ数ならぬ身を   蘭
枕さへしるとはしるな我が心   祇 書くほどに想い乱れてあさましき  竿
 涙をだにもなぐさめにせん   柏  したたる涙も墨汁とせん     白
藤衣なごり多くも今日ぬぎて   長 なげかはし世相を偽の一字とは   蘭
 いでんも悲し秋の山でら    祇  いで立て危急存亡の秋      
鹿の音をあとなる嶺の夕まぐれ  柏 法螺の音に鹿の鳴きやむ夕まぐれ  
 野分せし日の霧のあはれさ   長  まてば凪ぎゆく野分の波も    白
静なる鐘に月まつ里みえて    祇 湖みゆる城跡に佇ち月めづる    竿
 行きて心をみたさんも憂し   柏  あだあるひとに添ふる身ぞ憂き  蘭
我ならで通ふや人もしのぶらん  長 頬に笑み胸に合口しのばせて    白
 ふるき都のいにしへの道    祇  新門前の骨董屋ゆく       蘭
二ウ                 ( 易『白川の』の巻 )
咲く花もおもはざらめや春の夢  柏 白川の花や舞子の裾さばき     蘭
 さくらといへば山風ぞ吹く   長  うすくれなゐににほふ春風
朝露もなほ長閑にてかすむ野に  祇 里遠みかすみたち籠む大野らに
 うちながむるもあぢきなの世や 柏  あとつぎなくて思ふ後の世
更くるまで身のうき月を忌かねて 長 更けるまでいねままならず月朧   竿
 今よりいとふながきよの闇   祇  羊何匹数えてもまだ
いさり火を見るもすさまじ沖つ舟 柏 沖つ島影絵きはだつ秋空に     蘭
 夕の波のあら磯のこゑ     長  ひとしほ高き潮騒の音
郭公なのりそれとも誰分かむ   祇 ものおもふ時に来鳴くな霍公鳥
 かへらん旅を人よ忘るな    柏  のぞまぬ旅の宿りわびしも
ありぬやと心みにすむ山里に   長 ふるさとに心はいつも向かふらん
 ならはばしほれあらしもぞうき 祇  馴れては去るをくりかへす身は
つれなしや野は霜がれの思艸   柏 つれなくも霜のころもや枯しのぶ
 いつか心の松もしられし    長  いつか連理の松とならまし
三オ
和歌の浦や磯かくれつつ迷ふ身に 祇 和歌の浦ありなしびともうたふらん
 みちくる汐や人したふらん   柏  みちくる汐に走るいそしぎ
捨てらるる片破れ小舟朽ちやらで 長 うちかへり一葉捨て舟そこみせて
 木の下もみぢ尋ぬるもなし   祇  散らずて色のあせしもみぢば
露もはや置きわぶる庭の秋の暮  柏 ひとばなる我が屋前におく白露に
 虫の音細し霜をまつ頃     長  のぶる葎生いまだ虫の音
ねぬ夜半の心も知らず月すみて  祇 たかぶれば片敷く夜半の月すみて
 あやにくなれや思たえばや   柏  暮れゆくほどに恋にこがれて   竿
たのむことあれば猶うき世間に  長 君きませこの世にのぞむものもなし
 おいてや人は身をやすくせん  祇  我執捨てれば老いも楽しみ    蘭
こえじとの法もくるしき道にして 柏 こえたかと見るも果てなき法の道
 雪ふむ駒のあし引の山     長  雪をいただく神なびの山
袖さえてよるは時雨の朝戸出に  祇 身づくろふ夜来の時雨やむ朝に
 うらみがたしよ松風の声    柏  いつとも分かず松風のこゑ
三ウ
花をのみ思へばかすむ月のもと  長 川のべの花おひゆかば月出でて
 藤咲く頃のたそがれの空    祇  鐘聴く頃のかすむたそがれ
春ぞ行く心もえやはとめざらん  柏 春うららたまにたまたま物忘れ   竿
 み山にのこるうぐひすの声   長  小さき池に数多の蝌蚪が
うちつけの秋にさびしく霧立て  祇 むら雨にたちまち霧の涌き立ちて  蘭
 今朝や身にしむ天の川風    柏  真木の葉露に濡るる杣びと
衣うつ宿をかりふしおきわかれ  長 さ牡鹿の声や仮屋のうすけむり
 夢はあとなき野辺の露けさ   祇  旅の夢路にとほき稲妻
かげ白き月を枕のむらすすき   柏 月かげに白き狐の叢がくれ
 いつしか人になれつつも見む  長  いつしか人になれぬものかは
をちこちに成りて浅間の夕煙   祇 尽きぬ火の浅間を生のよすがにて
 きゆとも雲をそれとしらめや  柏  きゆとも歌に名は残るらん
はかなしやにしを心の柴の庵   長 心なき身こそあはれは知らされめ
 身のふりぬまは何おもひけん  祇  心はふるてふものにしあらねば
四オ
みるめにも耳にもすさび遠ざかり 柏 おのづから耳目の遠くおとろへて
 冬の林に水こほるこゑ     長  冬の林を風ゆらすこゑ
夕がらすねにゆく山は雪晴れて  祇 雪映えをからす塒にかへるころ
 いらかの上の月のさむけさ   柏  からの山畑さえる凍て月
たれとなくかねに音して深る夜に 長 あかつきの鐘にたれどき星いでて
 ふる人めきてうちぞしはぶく  祇  となりのかじんくさめつづける
蓬生やとふをたよりに喞つらん  柏 蓬生のゆゑにたのもし人とはん
 この頃しげさまさる道芝    長  刈ればまだらの目立つ道芝
あつき日はかげよわる露の秋風に 祇 あつき日の影をよわむる秋風に
 衣手うすしひぐらしの声    柏  ひぐらしむれてめぐるやまざと
色かはる山のしら雲打なびき   長 錦秋のみねはゆふひにきらめいて
 尾上の松も心みせけり     祇  ことばはいらぬ相生の松
憑めなほ契りし人を草の庵    柏 ともしらがつひとさだめし草庵に
 うときは何のゆかしげもある  長  ねびゆくさまもかつはゆかしき
四ウ                  
わりなしや勿来関の前わたり   祇 いくつもの関こえ成らん恋のみち
 誰れ呼小鳥啼きて過ぐらむ   柏  なけ呼ぶ子鳥われをみちびけ
思ひ立つ雲路にかすむ天つかり  長 見わたせば雲居とわかぬかすみ立ち
 さこそは花をあとの山ごえ   祇  さらば花見をあとの山越え
心をもそめにし物を世捨人    柏 思ひ果て旅をすみかの無用びと
 出でばかりなるやどりともなし 長  しばらく居てはうちやぶり出る
露のまもうき古里と思ふなよ   祇 露のまも心はなれぬふるさとに
 一村雨に月ぞいざよふ     柏  寄ればむらさめくもる月かな

  肖柏(四十九歳)三十四句       面白  十三句
  宗祇(七十一歳)三十三句       未竿  十三句
  宗長(四十四歳)三十三句       春蘭 七十四句

歌仙『蒼穹に』の巻




       歌仙『蒼穹に』の巻
                   2008.1.7〜1.19

1  新年  蒼穹に九輪眩しき初景色      みかん
2  新年   稽古始の掛け声聞こゆ       青波
3      知らぬ町脚のむくまま行き暮れて   春蘭
4  春月   かそけく照らす春二日月      面白
5  春   新入生明日の仕度を枕辺に      酔姚
6  春    ものの芽すこし動きだす庭     木槿

1      いづこより小さき虫の来たるらん  こやん
2       待ち侘びたるは佳き知らせかな   草栞
3  夏恋  まどろめば簾に透ける芭蕉布     面白
4  夏恋   香水の香をつれて君来る     みかん
5      思ひ出は白き帽子とともに消え    青波
6       つり橋揺らす渓谷の風       酔姚
7  秋月  月高し影は佐幕か勤王か       木槿
8  秋    今は夜寒に耐える墓守      こやん
9  秋   秋暁に積れる灰を撒きて去る     草栞
10      眼下広がる故里の海        青波
11 春花  松陰のみ崎の花も咲きそめて     春蘭
12 春    遅日におもふ国のゆくすゑ     面白

1  春   爆音に平和の夢は蜃気楼      こやん
2       軍艦カレー食ってる場合か     木槿
3      マハラジャの妖しき姫に惑わされ   酔姚
4       踊りあかせば身ぐるみ剥る     草栞
5      街燈がひとつひとつと消える街    青波
6       寄せ場でひとを釣れる手配師    春蘭
7      ネットカフェ出でれば朝日まぶしかり 面白
8       今日こそ決めて勝ち名乗り待つ   酔姚
9      鳥の巣の北京に遠く憧れて      木槿
10      雲南省の棚田よさらば      こやん
11 秋月  弓張の傾くまでに姨を捨つ      草栞
12 秋    背負へば泣ける何時迄草よ     面白
ナウ
1  秋   しかられて守り子見てゐる赤とんぼ  春蘭
2       成人をして女流歌人に       青波
3  春   ネーブルの甘い匂いを詠んでみる   酔姚 
4  春    バレンタインに手つくりチョコを みかん
5  花   花の咲く頃は校舎も思い出と    こやん
6  春    なぞりて歩く遠足の径       草栞

                   (捌き みかん)

2008年1月15日火曜日

馬鹿キャラ

馬鹿キャラを笑うあんたは大丈夫?

2008年1月4日金曜日

六本木ミッドタウン








 もう行かぬと思ひまた行くセレブ街

2008年1月3日木曜日

箱根駅伝

 人生は下りを急かぬほうがよい

 三日目にゃお節料理があくびする

2008年1月2日水曜日

局のゴム判

 合併で両方消えるいい名前

 パソいかれ局のゴム判押しにいく

 数の子の塩抜きすぎて足す醤油

 

2008年1月1日火曜日

去年今年





 去年今年あかずくひつぐ手打そば  春蘭

 二日目はうどんに河豚の残り汁


写真1:どばんどさん
写真2:フォト蔵さん