2008年5月23日金曜日

歌仙『今年竹』の巻



      歌仙『今年竹』の巻     
                 〜2008.5.23

  今年竹面妖な皮ぬぎにけり       百
    煮しめたっぷり早苗餐用意   みかん
  この村を何とかしよと集まりて    青波
    元芸人の先生さ呼ぶ       春蘭
  とどのつまり変哲もなき月の客    鉄線
    流れ流れて落鮎となり      草栞 

  柿むいて入り日はなやか新所帯    木槿
    氏神様の前はばからず       亮
  寺もたぬ僧の教化は愛語にて      蘭
    ツーリングして津々浦々へ     百
  潮騒に誘はるるまま午睡かな      栞
    あなたと聴いたあのフォービート  鉄
  手をひかれアイスダンスの輪の中に   み
    マッチ消ゆれば木枯らしの月    槿
  紙巻きを葉巻のやうに摘まむガイ    蘭
    石津謙一ジーンズ似合う      百
  花に雨今日はフランスパン焼いて    亮
    入学試験の準備OK        波
ナオ
  始発列車ムーミン谷に春惜しむ     鉄
    アケボノスギの梢遙かに      栞
  ピンボケの写真いまだ棄てきれず    亮     
    故郷の家瓦礫に埋もれ       み     
  やらしいわあどっちにしよう今年の蚊  槿
    草清水までまとわり付いて     百
  思い出を断ち切りたいと旅にでる    波
    離婚届けはテーブルの上      亮
  ATM暗証は「サラダ記念日」だ    鉄 
    僕もしらない日本語のゆくえ    槿
  諸ともにつひたちの月追ひ求め     栞
    もののけ出づや虫の声やむ     蘭
ナウ
  初猟の準備おさおさ整えて       百
    晩のおかずは俺に任せろ      波
  レシピならネット波乗り炊いた肉    栞
    沈まぬ夕日のぞむべくなく     鉄       
  かまくらは五山色添ふ花のころ     蘭
    観光バスの並ぶ麗らか       亮

               ( 捌き 百 )



写真提供はフォト蔵さん

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