2009年6月7日日曜日

執中の法・自習(14)

※執中:前句から連想されるものの中で中心となるもの。これを執り題として付句を詠むことを執中の法と呼ぶ。

      歌仙『古池や』の巻
                           執中
発句  古池やかはづ飛びこむ水の音   芭蕉  春  歩く人
脇     背筋を正し春の新服     春蘭  春  入学式
第三  そうりやうの入学式は天晴れて   同  春  気も漫ろ
四     要所だけ見てたゝむ朝刊          時事川柳
五   ひもすがら苦吟をすれば疾うに月     秋月 妻の目
六     理解のできぬつまの冷やか      秋  美術展
ウ一  ヌード画のけつこう多い美術展      秋  デート
二     ふいに縋られ重き片そで          浜辺
三   あし長き波のときをり打ち寄せて        睡魔
四     こくり舟漕ぎはつと驚く          留守番
五   留守電の釦を押してするゝすゐ         犬
六     隣近所は犬の無駄吠え           物干
七   物干に胡瓜なすびの苗育ち        夏  月の出
八     月を擁して明かる山際        夏月 飯炊き
九   褒められてけふも飯炊き竈の番

1、前句(ウ八)から言外に<飯炊き>を連想。
2、<飯炊き>を題として枝葉を付け加え付句を仕立てる。このとき前句は意識外にする。 
3、前句と二句一連(短歌)で意味が通るように調整する。
4、打越方面をチェック。

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