2010年2月28日日曜日

井上靖『蒼き狼』

2007年03月29日20:06
ふと、筋だったかと茶色くなった文庫本を取り出した。読み始めたら止まらなくなった。

鉄木真(テムジン:成吉思汗)の母は、はっきりしているが、父がはっきりしない。蒙古高原では、部族間の抗争において、女性は羊と同様掠奪の対象であったという。

父エスガイの死後、孤立無援のたった数人の家族から、蒙古高原の大王にまでなり、版図をユーラシアに広げた。印度に遠征しようとして、最愛の忽蘭(クラン)を失う。彼女を氷河に埋葬し遠征を断念した。ジンギスカンの没後についてはふれていない。

井上靖は『風林火山』のあとがきで、ジンギスカンと武田信玄は遺言が似ているとしているが、その体制は信玄とは違ってもっと長持ちしたようだ。

  長城を蒼き狼月に越ゆ    春蘭
  忽蘭とは餓狼愛せし牝鹿なり  


ジンギスカンに仕えたという二人の著作は大いに参考になったという。機会があれば読んでみたい。
『長春真人西遊記』長春真人著・李志常編
『湛然居士集』耶律楚材著

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