2010年4月16日金曜日

連歌百韻『つみ草や』の巻


#jrenga 連歌 俳諧 連句
2010.4.10〜4.16 座・ツイッター連歌 @zrenga
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式目
               
発句 つみ草や背なに負ふ子も手まさぐり  春 不夜庵太祇        
脇   うらなふごとく散らすアネモネ   春 彼郎女
第3 やはらかな東風にロンゲのゆらめいて 春 私
4   朝のキャンパスやや急ぎ足       不夜
5  図書館のいい席窓は風景画        私
6   眠気をさますコーヒーの香       百
7  痩せ細る月に誘われ開ける窓    秋月 彼郎女
8   隣の秋刀魚にほふゆふぐれ     秋 私

9  塹壕に虫の音しのぶふるさとは    秋 不夜
10  わが許嫁いかにいますや      恋 私
11 ラブソング今日も唄ふよ窓の下    恋 不夜
12  音のはずれる隣のピアノ        海霧
13 片陰にひそと佇む修行僧       夏 不夜
14  出入禁止と門に立て札         私 
15 パチンコに勝ちすぎたれば詮もなし    不夜
15 チューリップ開いて閉じて通学路   春 百
16  足をとられて春泥に泣く      春 不夜
17 蜃気楼それと知らずに追いかけて   春 彼郎女
18  レールのかなた朧昇りぬ     春月 ふない
19 飛花うけてほすも一興馬上杯    春花 私
20  はらはら揺れる手元あやしく      彼郎女
21 氷上のスピン止まれば決めポーズ   冬 不夜
22  寝てはならぬと冴えわたる星    冬 草栞
二オ
23 大気圏突入迫る操縦席          不夜
24  機動戦士の命運いかに         栞
25 君からの電話が鳴って消すテレビ   恋 彼郎女
26  デート遅れた言い訳さがす     恋 不夜
27 逆ナンをされてふらふらついてゆき  恋 私
28 「性別なんて関係あるの?」       彼郎女
29「その件は善処しましょう」汗しとど  夏 不夜
30  鴨の川原の床で接待        夏 私
31 論なかば人斬り以蔵席をたち       不夜
32  後に残った渋面三つ          ふない
33 手作りの差し入れ届く部室にて      彼郎女
34  絵の具の汚れ落とす宵闇      秋 不夜
35 かりがねの手の内見せぬ骨董屋    秋 百
36  新酒ぶらさげ秘湯の探訪      秋 海霧
36  九月よきひの旅の算段       秋 不夜
二ウ
37 今週は美人女将の特集号         彼郎女
38  目を皿にする仲居一同         ふない
39 宴会がはじまる前から酔つてゐる     私
40  太祗うろつく昼の遊廓         不夜
41 求むれど粋な企画も見当たらず      栞
42  作家の尻を叩け新人          不夜
43 私有地の林を抜ける徒歩五分       ふない
44  君と初めてキスをした場所     恋 彼郎女
45 想ひ出すプールサイドに夏が来りや 夏恋 栞
46  水面に映る短夜の月       夏月 彼郎女
47 橋超えて駆るフェラーリの排気音     不夜
48  朝靄けぶる峪に木霊す       春 栞
49 分け入れば行者纏はん花ごろも   春花 私
50  ツァラトゥストラの洞につばくろ  春 不夜
三オ
51 あす下山まさに没落の時は来て      ふない
52  城址といえど石垣ばかり        不夜
53 老若の視線あつめるバスガイド      不夜
54  蓋をひらけば蒸し寿司の湯気    冬 ふない
55 冬の浜ぽつりと残る玉手箱      冬 彼郎女
56  うらに小さく朝鮮の文字        私
57 ブランドがえらく安いと思つたら     私
58  道頓堀に小糠雨ふる          不夜
59 蝶ネクタイちびれ箒で溝を掃き      ふない
60  さらさら積もる銀杏の黄葉     秋 彼郎女
61 しめやかに月の光が舞い降りて   秋月 彼郎女
62  衣打つなり趣味の教室       秋 不夜
63 ふる里へ帰省ついでに見合する      栞
64  いまさら気付くほんとの気持    恋 不夜
三ウ
65 言うべきか言わざるべきかまだ迷う  恋 百
66  恋は駆け引きあと出しジャンケン  恋 不夜
67 負けてやることも時には必要で      彼郎女
68  引退間近強がりばかり         不夜
69 なかんづくおのれを知るは難しく     私
70  ギリシャ神殿風化する額        不夜
71 背高きオレンジの木に砂埃        ふない
71 理科室の標本に無い冬木かな     冬 百
72  小春日和につくる押し花      冬 不夜
73 古ぼけた国語辞典の「つ」のページ    彼郎女
74  月みて気づくけふは銀婚     秋月 私
75 ひややかな望遠鏡を窓に据え     秋 ふない
76  雁の消えゆく雲の白さよ      秋 不夜
77 しづかなる花の内より暮れはじむ  春花 百
77 薄墨の花の下にて詠む連句     春花 海霧
77 夕霧に色も褪せたり花紅葉     秋花 彼郎女
78  つゆのいのちをゝしめわかうど   秋 私
ナオ
79 兎に角も歳の流れに老ひツイッター    栞
80  なんとばね指通院中で         海霧
81 短夜にくわつと目覚むるサイボーグ  夏 不夜
82  タオルケットが舞う四畳半     夏 彼郎女
83 まあそこへ座りたまえと足で指す     ふない
84  子規漱石に俳句教授す         不夜
85 坊っちゃんは季節に興味あるのかね    彼郎女
85「坊っちゃんは季節に興味あるのかねぇ……」彼郎女
86  執事とメイド声をひそめて       不夜
87 満月になるとおかしい旦那様    秋月 私
88  かまどうま指し親友と言う     秋 海霧
89 鹿火屋守更け行く夜こそ淋しけれ   秋 不夜
90  にはかに風の猛けり山鳴る       私
91 われらみなバベルの塔の裔なれば     リュウ
91 虚仮威し地震雷おやじギャグ       栞
92  永年勤めるコンパ担当         私
92  鬼軍曹と渾名頂戴           不夜
ナウ
93 愛読書ライトノベルのあたしなのに    彼郎女
94  ブックカバーが並ぶ本棚        ひろ(東京文献)
95 良く言へばデジャヴュとなれど物忘れ   栞
96  チワワを連れて黙礼の人        ふない
97 下萌えの道に足音やはらかく     春 不夜
98  卒業の娘の袴なびかせ       春 リュウ
99 校庭をなべて被へり花吹雪     春花 リュウ
99 結い上げた髪にはらりと花の片   春花 彼郎女
99 感極み花の命も長からむ      春花 栞
100 高嶺はいまだ残る白雪       春 私 (99全句に)

※同じ番号の句は、ことわりがなければ、最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。

写真提供はフォト蔵さん

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