2010年4月22日木曜日

連歌百韻『阿蘭陀を』の巻










#jrenga 連歌 俳諧 連句
2010.4.16〜4.21 座・ツイッター連歌 @zrenga
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式目
               
発句 阿蘭陀をゆるりと渡る朝寝かな    春 リュウ     
脇   風の光れば目蓋まぶしき      春 不夜
第3 清明のみずの流れに壷洗う      春 百
4   蛙ひそりと見つめる川面      春 彼郎女
5  せんかいのとんびひとこゑぴぃひょろろ  私
6   色なき風の螺旋階段        秋 不夜
7  満月に支配されたり展望台     秋月 彼郎女
8   茸汁など召し上がりませ      秋 百

9  待ち合わせハチ公の鼻撫でながら     リュウ
10  鳴き声の方ハットふりむく       ひろぶみ
11 小道具は視線を隠すサングラス    夏 リュウ
12  プールサイドの君をみていた   夏恋 彼郎女
13 ふたごころ靴投げてやる東慶寺    恋 リュウ
13 申し分なき淑妻の肩越しに      恋 私
14  悴む猫を抱きしめて月      冬月 リュウ
15 コンビニのホットコーヒー和ませて    ひろぶみ
16  面接の列の先頭に立つ         百
17 オーディション握りしめたるトーシューズ 不夜
18  水平思考で夢を実現          リュウ
19 にょっぽりと隅田の空を突くタワー    私
19 農場の門に廻れり大風車         ふない
20  ドン・キショットの旅の道連れ     リュウ
21 花過ぎの夜のヴィーナス薄化粧   春花 百
22  ショーウィンドーにシャボン玉とぶ 春 不夜
二オ
23 遠足のリュックサックを並べたる   春 ふない
24  チョコと酢昆布フラスクの酒      リュウ
25 行き詰まる作家はペンを放り投げ     不夜
26  癒しの女神マリリン・モンロー     リュウ
27 プレビューの小窓のなかに蘇る      ふない
28  消えしデータに泣く青簾      夏 不夜 
29 新発意に還俗迫る熱帯夜      夏恋 リュウ
30  法衣の胸を薮蚊ふと刺す     夏恋 ふない
31 来客に着替えもせずに出てみれば     彼郎女
32  親の後からうり坊のいで      秋 百
33 手品師の弟子の手際に秋の声     秋 不夜
34  身はほっそりと顔は爽やか     秋 私
35 月照らす湖面に杜甫のつぶやけば  秋月 不夜
36  いよいよ高き天に猿嘯       秋 私
二ウ
37 盲腸の手術も三日にて出社        不夜
38  未読メールはパンドラの箱       彼郎女
38  空港閉鎖で赴任できない        百
39 キャンセルの言い訳だけは出来たけど   彼郎女
40  強面上司声も冷え冷え       冬 リュウ
41 年々に宛先の減り賀状書く      冬 リュウ
42  取り柄はひとつ強き筆勢        私
43 神頼み絵馬に最後の望みかけ       不夜
44  玉兎を背なに爺の朧目      春月 リュウ
45 バス停の時刻をぼかす春時雨     春 海霧
46  目立つ空き地にめぐる草萌え    春 私
46  遍路の脚をすこし休めて      春 彼郎女
47 合併で謂われ判らぬ地名増え       リュウ
48  表札替える仕舞屋の主         ふない
49 技と術競い合うなり大花火     夏花 リュウ
49 新家に思いがけない帰り花     冬花 不夜
50  呼ばれるがごと集ふ人びと       彼郎女
50  冬将軍がみせた微笑み       冬 彼郎女
三オ
51 蓬莱は近しと告ぐる水夫の声       不夜
51 着ぶくれて断腸亭を探る巴里     冬 リュウ
52  ボタン違えてフロックコート      百
53 控え室あたらしき父大笑す        ふない
54  婿と呼ぶより自慢の息子        彼郎女
55 合歓の花娘といえど人の妻     夏恋 百
56  ゆだちのあとのそでのつゆけき  夏恋 私
57 ドアの裏朱きルージュのなぐり書き  恋 不夜
58  何でもありのファンタジーです     リュウ
59「無礼講!」下戸の上司を酒で攻め     私
60  佐藤義清さらり隠逸          不夜
61 銀色の猫の毛並みを一瞥し        彼郎女
62  水をたっぷり挿芽にかける     春 百
63 あたたかな春三日月の土の肌    春月 ふない
64  胡乱な民も赦す青帝        春 リュウ
三ウ
65 山鳥の尾のしだり尾は瑞兆か     春 不夜
66  水天宮へ帯をもらいに         リュウ
67 石段のすこし滑るも危ながり       ふない
68  鳩が豆くってまたアンケート      百
69 支持率は水ものなれや乱高下       私
70  皆で乗りませジェットコースター    彼郎女
71 俳諧の諧は和すてふ意味にして      私
72  笑ひ絶えざる古池の庵         不夜
73 名月をうつす水面はしづまれど   秋月 彼郎女
74  予報によれば台風近し       秋 彼郎女
74  台風の眼をつつく予報士      秋 不夜
75 キャスターは龍田姫とぞ呼ばれたる  秋 不夜(74両句に)
76  人格変はる野球観戦          私
77 花吹雪誰も舞台の人となり     春花 百
77 天よりの贈り物らし飛花落花    春花 リュウ
78  一眼レフが捕らう初蝶       春 海霧
ナオ
79 うららかな岬の白き灯台に      春 不夜
80  喜怒哀楽も共に古希まで        リュウ
81 誓いしは五十余年の前となりぬ      ふない
82  関羽張飛のいまはいづくや       不夜
83 平原にジープの走るやかましさ      ふない
84  駆け足速きマサイの子供        不夜
85 食卓に濃き牛乳の香は流れ        ふない
86  異常気象の穀物相場          百
87 夕凪の瀬戸内海を貨物船       夏 不夜
88  割れし土台に浜茶屋の立つ     夏 ふない
88  デッキに小さき鯉幟たて      夏 百
89 一の倉汗が塩っぱく一休み      夏 海霧
90  ときにとぎれる蟻の行列        私
91 月夜茸闇夜に毒を育ており     秋月 百
92  土をしとねに眠る落蝉       秋 彼郎女
92  朝寒のなか共に眠らん      秋恋 彼郎女
ナウ
93 謎かけを問い詰め直す西鶴忌    秋恋 リュウ
94  love と rob との半角の距離    恋 リュウ
95 テムジンの父は狼母は鹿         私
96  ここに世界の歴史始まる        不夜
97 銀盤に霧らふアクセル四回転       リュウ
98  その身にまとふ風は光りて     春 彼郎女
99 花のもと卒寿の媼紅さして     春花 百
100 大和三山かげろいの中       春 百
100 草を摘み出し皆にとめらる     春 私
100 目も耳にして百千鳥きく      春 私

※同じ番号の句は、ことわりがなければ、最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。
 
写真提供はフォト蔵さん

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