2010年5月16日日曜日

連歌百韻『人垣を』の巻


座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.5.10〜5.15 #jrenga 連歌 俳諧 連句  
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発句 人垣を問はば牡丹と答へたり   初夏  不夜
脇    ラムネあきなふねぢり鉢巻   夏   私
第三 大道にギター爪弾く音のして       不夜
4    ささやく声に夜は更けるとも     草栞
5  相部屋の名前も知れぬ者どもが     ふない
6    持ち物に皆名前を書いて        百
7  真夜中の月に瞼を擦りつつ    秋月 彼郎女
8    うち揃い聴く虫のかそけき   秋 細葉榕

9  霜降に古い手紙を火にくべて    秋 リュウ
10   君への思ひ消すに消されぬ   恋  不夜
11 転校で恋の端緒に別れとは     恋   私
12   枷あればこそ想い深まる    恋 リュウ
13 窓からの眺めさえ断つ深夜バス     ふない
14   神の旅路とすれ違う夢       彼郎女
15 軍用機嘆きの壁の上空を         不夜
16   飛べど荒地に平和もどらず      玄碩
17 竈猫見守る月の光ゲやさし    冬月 リュウ
18   風呂釜ぬくき柚子の残り湯   冬 ふない
19 ゆだるごと風なき道を駆け抜ける  夏 細葉榕
19 移り香にけふの疲れの和らぎて      不夜
20   小粋な柄の手拭いひらり      彼郎女(19の二句に)
20   今宵限りはともに褥を     恋   栞
21 市松の不安を秘する花の雨   春花恋 細葉榕(20の二句に)
22   嵯峨念仏へいとはんの供    春   私
二オ
23 竹の秋鼻緒が切れて難儀やな    春   百
24   外つ国人の日本好むも        不夜
25 夏場所に小兵探すは難しき     夏   栞
26   競泳水着サイズきつめに    夏 リュウ
27 開発のデータ分析出る答え        不夜
28   神田で受ける厄除の札       ふない
29 金髪にネイルアートの三代目      リュウ
29 銭形の子孫悩ます難事件         不夜
30   けふもおけらで月に溜息   秋月   私(29の二句に)
31 やむを得ぬ露時雨見つワンカップ  秋 細葉榕
32   また間違えた秋鯖の数     秋 リュウ
33 村芝居終はつてみればトレビアン  秋   栞
34   パントマイムの化粧を落とす     不夜
35 公園に烏の帰る大樹あり        ふない
36   ブルーシートは早い夕餉か       私
二ウ
37 かあちゃんのぬくもりまとうかっぽう着 細葉榕
38   三角巾のやや恥ずかしき       不夜
39 本堂の廊下ひたひた忍び足        海霧
39 アルバイトお化けチーフは美形なり     私
40   閻魔大王張りぼてなのね       不夜(39両句へ)
41 げに恐ろしきは廿の無分別     恋 ふない
42   一つ違えば甘えに似たり        栞
43 草食に姉さんにょうぼが増えてゐる     私
43 蟇穴の上にマンション幟立つ    春   百
44   遠足に行く高尾山口      春 細葉榕
44   山村水郭水も温めば      春  不夜(43両句に)
45 盃の光と染めし酒旗に風     春月   私
45 夕闇に浮かぶ花影朧月     春花月   栞(44両句に)
46   星にヨットもうつらうつらと  夏 細葉榕(45両句に)
47 光進丸若大将も健在ぞ          不夜
48   蛇をおどかす松の枯枝       ふない
48   古希になっても冒険心を        百
49 老木の花につぶやく「元気です」     海霧
50  「落ち込んだりもするけれど」とも  0chika
三オ
51 One Ofに加へてもらったモテをんな 恋   私
52   ゼムクリップで留めた恋文   恋  氷心
53 かびくさき箪笥のネガを掘り出せば   ふない
54   ブリキのオモチャ新品同様      不夜
55 明けはやし紫煙くゆらす妻の留守  夏   百
56   テッペンカケタカ時鳥鳴く   夏 リュウ
57 富士の山何度も噴火繰り返し       不夜
58   やどれる神の怒りなるらん       私
59 磔刑を描くルオーのミゼレーレ     リュウ
60   我がうるわしの国、今いずこ    彼郎女
61 様々に明るさ求むLED          海霧
62   月読男たたく鍵盤      秋月 リュウ
63 爽やかにリズムを刻むハイハット  秋  不夜
64   えのころ草もスゥイングしてる 秋   百
三ウ
65 すすき野に猫をお伴に宵待す    秋 細葉榕
66   座れば軋む千円の椅子       ふない
67 現実は独立リーグ火の車         不夜
68   夫婦別姓家計折半           百                
68   苦しくたってドリームガールズ     栞
69 触れ合った炬燵の中の足の先   冬恋 リュウ
70   君のマフラーうまく編めない 冬恋 彼郎女
71 前略の愛あみむめも溶けている   恋 リュウ
72   ひとめをしのぶやどのあはゆき 春恋  私
73 春陰の秘めたる日記母の恋    春恋   百
74   待ち侘びたるは月よりの使者 春月 細葉榕
75 懐メロにマイクとりあふ花の客  春花   私
76   初の馳走を仔犬喜ぶ         氷心  
77 目を細め迷子泣き止む路傍かな       栞
77 電話せず喰つて帰れば鬼の顔        私
78   実はやさしき酒呑童子ぞ       不夜(77両句に)
ナオ
79 夕さりの風に日焼けをまかせをり  夏  氷心
80   夏銀河へと白き航跡      夏  不夜
81 貴婦人等タイタニックと運命を      海霧
82   思い起こせる鳴き砂の浜      ふない
83 きずなありて入り江に集う亀の列    細葉榕
84   舫の舟を揺らす寒風      冬 リュウ
85 使い捨てカイロ封切り散歩道    冬 彼郎女
86   手をつなぎたりポケットの中  恋   私
87 占えばこの恋吉と出ましたよ    恋   百
88   思ひかねつつ新宿の母     恋  不夜
89 屋根裏にちびっ子ギャングの秘密基地  リュウ
90   飛ぶ教室も未だ彷徨ふ         栞
91 並びゐるテールランプへ夏の月  夏月  不夜
92   梅雨なき街の出張は赤     夏   私
ナウ
93 整ひし書類揃へて紙封筒         不夜
94   自転車降りて二度ならすベル      栞
95 ひげ生えてちゃん〜で呼ぶのも恥づかしく  私
96   床屋行くにもたそがれを待つ     氷心
97 貴種流転花の枝垂れる勅使門   春花   百
97 貴種流転何時開かれる勅使門        百
98   都大路は春のにぎはひ     春  不夜
99 蜃気楼追ひつ追はれつゴールへと  春   栞
99 宴の中花ひとひらも客となり   春花  海霧
100  尉と姥とのダンスのどらか   春 リュウ

※同じ番号の句は、ことわりがなければ最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。

写真提供はフォト蔵さん

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