2010年6月2日水曜日

はなひ草(3)面八句之事・発句の切字

面八句之事

一 発句 連歌同前なるべき歟(か、や)
  脇  同前。てにはの字どまり嫌也。
  第三 てどまり歟、はね字なるべし。にどまり・もなしどまりは
     まれなる義也。これまではちとさし出たる事もくるしからず。

  四句めよりはかろがろしきやうにすべし。古人の名・同名字・宮殿
  の名・名所・神祇・釈教・恋・無常・述懐・同字、此分きらふなり。
  親子のさた述懐にもちひざるゆへ八句のうちきらはず。

発句の切字

一 哉 けり たり めり や ぞ し じ き ぬ つ む
  か いづく いづこ いづれ いかで いさ 何 なぞ 
  など いく さぞ こそ 誰 を もなし はにし もがな 下知

  以上連歌のごとくなるべき歟

野々口立圃『はなひ草』 所収 古典俳文学大系『貞門俳諧集二』集英社 

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