2011年7月15日金曜日

出張連歌:歌仙『雷の』の巻



      歌仙『雷の』の巻
                  起首:2011.7.5
                  満尾:2011.7.15
初折表
発句  雷の音は恐ろし梅雨あがり     夏  蛙紀羅  
脇     田の草取りに出づる合鴨    夏  涅阿(春蘭)
第三  蓮の花水上の園抜きん出て     夏  浮舟
四     賑ひゆかし城の松蔭         スナフッキン
五   名月の光り輝く独り舟       秋月 蛙
六     秋太郎殿でませや出ませ    秋  蛙
初折裏
一   はなたれて花野にはしゃぐ犬と主  秋  阿 
二     かけろやかけろ皆振り返る      蛙
三   高砂や九尾の狐着飾つて      恋  ス
四     色に出にけり秘めしときめき  恋  阿
五   大翁一息つくは語る時          蛙
六     そゝと奥よりお茶と菓子盆      阿
七   寒椿手折て床に挿し着せば     冬  ス
八     風花ながら冴ゆるゆふ月    冬月 阿
九   山茸や衣重ねて箸を持す         りゅんじょび
十     酒啜るとや煙る伏屋に        ス
十一  花の降る里にやどりぬ旅がらす   春花 ス
十二    ゆくすゑみればかすむくさはら 春  阿
名残折表
一   また増えし休耕田に雉子なく    春  阿 (きぎす)
二     ハートのジャックの懐事情      ス
二     懐さむく蔵も荒れ果て        蛙
三   何処へゆく国の舵取りふらふらと     蛙
四     それにつけても憂しやみちのく    阿
五   何時の世も水無月灯す人の群れ   夏  蛙
五   30°以下は冷房我慢して      夏  阿
六     たかが17文字に汗する    夏  阿
六     見た目だけでも浴衣すずしき  夏  阿 両句に
六     祈りの中に夏越過ごせり    夏  阿 両句に(なごし)
七   原子の子役にたてれど大暴れ       蛙
八     因の成すまま歴然として       り
九   君の背をいとし母屋に袖をふる   恋  り
十     わかれせつなき露の後朝    恋  阿 (きぬぎぬ)
十一  有明やあけぬうちから鳴くからす  秋月 阿
十二    紅葉敷く庭ながめ坐しけり   秋  り
名残折裏
一   美術展絵より自然が美しく     秋  阿
二     言葉無くして見いる万葉       り
三   千歳ふる歌の息吹がよみがへる      阿
四     いさ大和のちめぐる旅立ち      り
五   見上げれば花は空にてとおせんぼ  春花 り
挙句    ぬきつぬかれつ泳ぐ若鮎    春  阿

         蛙紀羅  九
         涅阿  十五
         浮舟   一
         スナフ  五
         りゅん  七

出張先:Gree
写真提供はフォト蔵さん

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