2012年5月18日金曜日

第三千句 第八百韻『竜巻の』の巻


at 座・ツイッター連歌

百韻『竜巻の』の巻    
2012.5.17〜6.14

発句   竜巻の跡に十薬繁りけり       夏  ね子
脇      汗ばむ鼻に草いきれの香     夏  私
第三   背番号いつか貰ふと夢に見て        風牙
4      エースの徴付けて馬肥ゆ     秋  草栞
5    うねりつゝひたひた寄せる望の潮   秋  私
6      腰魚籠下げて来る月の客     秋月 牙
7    盃に夜露を受けてもてなさむ     秋  ね
7    手に取りし玉の緒長く時は過ぎ       栞
8      終の別れを白拍子舞ふ         私  両句に

9    来るはずのない人を待ち虎が雨    夏恋 牙
10     虹の向かふに愛の国在り     夏恋 栞
11   放蕩は芸の肥やしと自己弁護        私
12     名人戦は波乱含みに          ね
13   ギャラリーの予想を超える大胆さ      栞
14     日食グラスやはり売り切れ       牙
15   金の環の三つに見えて老い思ふ       ね
16     過ぎて気づきし結婚記念日       私
17   付き合いで遅くなるよと一行で       牙
18     隠し切れない予測変換         栞
19   プロポーズないまゝ幾度めぐる春   春恋 私
20     焦がす想ひに斑雪ふる      春恋 ね
21   移ろひて乱れそめにし花の庭     春花 栞
22     給湯室の噂あれこれ          牙
二オ
23   イケメンのバイリンガルは別居中      ね
24     独りにうれし小分け惣菜        私
25   鍋奉行ばかり集ひし暮の宴      冬  牙
26     御用納は大捕物で        冬  栞
27   セキュリティし過ぎるといふことはなし   私
28     受話器の向かう「オレオレ」と言ふ   ね
29   空耳となりそな節の応援歌         栞
30     振り向けどただ続く下闇     夏  牙
31   ぼんやりと祭りのあとの月も良し   夏月 ね
32     をさなご背負ひおもひ遣る故郷     私  さと
33   売り物は身の上話演歌歌手         牙
34     笑顔絶やさぬスナックのママ      栞
35   年よりも十五若いとほめられて       私
36    『純粋理性批判』読み初む        ね  よみそむ
二ウ
37   開かんと悟り求めて欠伸する        栞
38     コンサートにて鳴らすケータイ     牙
39   暖炉の火あかあかとして不倫旅    冬恋 ね
40     雪のうちとけ濡れる黒髪     冬恋 私
41   ゲレンデで見初めし君と気づかずに  恋  牙
42     スクランブルの長き信号        栞
43   独裁も込みで世襲の三代目         私
44     アラブの春はフェイスブックで  春  ね
45   薄氷の残る浅瀬を前にして      春  栞
46     孕鹿だと撃つを躊躇ふ      春  牙
47   逝く命見守るごとし夜の花      春花 ね
48     父母を偲べば朧げな月      春月 私
49   ほどく荷の誌面に知りし名を見つけ     牙
50     散らばる点を結ぶ伏線         栞
三オ
51   幼児でも偶にできそな抽象画        私  たまに
52     自称天才ゆめに生きたし        ね
53   屋根裏の聖夜の恋の物語       冬恋 栞
54     嫁が君とて遠慮がちなり     冬恋 牙
55   三月まへ家事の分担決めたはづ       ね
56     ルームシェアーのコツも我慢か     私
57   腫れ物に触れば痛む沖縄忌      夏  牙
58     無常の庭に沙羅の花咲く     夏  栞
59   宿坊の精進料理は五味五色         私
60     太りやすさも遺伝するとか       ね
61   オタク度の診断だけはやり過ごし      栞
62     日本人だとわかる写メ撮り       牙
63   整然と帰宅難民列を成す          ね
64     忍の一字でしのぐ台風      秋  私
三ウ
65   文豪の魅せられし波月の宿      秋月 牙
66     画集めくりて灯火親しむ     秋  栞
67   テレビ漬け時間の無駄と改めて       私
68     国会審議つひに始まる         ね
69   起きやがれ日本の夜明け何とせん      栞
70     慌てて向かう町の清掃         牙
71   キャミソール干したまんまの窓もあり    ね
72     ちかごろ矢鱈多いゆふだち    夏  私
73   寄り道の言い訳見つけ夏暖簾     夏  牙
74     予選突破へハットトリック       栞
75   共通の敵ができれば団結し         私
76     見上げた空は雲に入る鳥     春  ね
77   天窓を開けてひとひら花の屑     春花 牙
78     微かに聴こゆ春の無言歌     春  栞
ナオ
79   冤罪に失はれたる十数年          ね
80     なだめすかせど口きかぬ妻       私
81   通販の主声高にまくし立て         栞
82     カード払いの足らぬ残高        牙
83   不器用の背伸びデートは効果なく      私
84     同性婚の友を寿ぐ           ね
85   裏庭に二輪寄り添う百合の花     夏  牙
86     蓮酒飲みて浮世忘るる      夏  栞
87   仙人の髭ほど長き子猫の尾         ね
88     みんな目当ては看板娘よ        私
89   お忍びで月夜の晩に誘ひ出し    秋月恋 栞
90     秋の色だと隠す首筋       秋恋 牙
91   そゞろ寒染め手ぬぐひを中尾巻き   秋  私
92     菊膾食み「いい味だねえ」    秋  ね
ナウ
93   テレビでは同じ台詞の繰り返し       牙
94     急場凌ぎでコピペレポート       栞
95   戦国の耳目集むる一夜城          ね
96     交渉術は肚とハッタリ         私
97   名残雪溶ける頃には地固まり     春  栞
98     春風に聞く友の消息       春  ね
99   ながらへて花追へる身のありがたさ  春花 私
挙句     残る鴨にも陽射しやはらか    春  牙

・・・ 全句閲覧

※定座は守っても守らなくてもよい。
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

式目  
正風芭蕉流準拠十カ条
投稿用

写真提供はフォト蔵さん

0 件のコメント: