2014年1月7日火曜日

【満尾】第五千句第一百韻『松すぎの』の巻


                      百韻『松すぎの』の巻   
                                                                                  2014.1.7〜2.16

発句  松すぎのはやくも今日といふ日かな   万太郎 新年  
脇     ふくら雀の集ふ陽だまり      春蘭  冬
第3  待合の席和みたる大茶会        草栞
4     やゝ酒気帯びて口もなめらか    野茨
5   話すたび逃がした魚成長し       真葛
6     にはかに夕霧たち籠める川      蘭  秋  せきむ
7   月見んと駿馬を駆りて目指す丘      栞  秋月
8     世に打つて出る秋は今ぞや      茨  秋  とき

9   呟いてあっと言ふ間の流行語       葛
10    相変らずの御用新聞         栞
11  支持率の世論調査のうたがはし      蘭
12    嫌よ嫌よの空気読めずに      曙水
13  押せば引く引けば押し来る女波      茨  恋
13  自らの台詞に酔ひて愛捧ぐ        栞  恋  
14    目瞑りてさすルージュ完璧      葛  恋
15  プレゼンのイメリハ済ませ不安消え    蘭
16    営業ゑがお板につく頃        水
17  村おこし都市の祭りと交流し       蘭  夏
18    B級グルメ帰省土産に        栞  夏
19  駅ナカはコンビニ超えてモール化す    茨
20    目にまぶしきや春のよそほひ     蘭  春
21  いつの世も立ち去り難き花のもと    ね子  春花
22    蓬摘みつつしのぶ亡き人       茨  春
二オ
23  悪童の灸すえられし語り草        葛
24    詮なきことに波瀾万丈        栞
25  引退後即出版の手際良さ         水
26    次から次とアイドルユニット     茨
27  流行は追はず知らぬ間流されて      蘭
28    あなたに染まれ選ぶ白無垢      水  恋
29  ふたごころ隠し切れずになみだ色     葛  恋
30    いかにいくべき浮舟の身は      茨
31  清教徒海原を越え大陸へ         栞
32    家族は勇気出づる源泉        蘭
33  七五三母が一番写り良く         水
34    から風吹けば雲は離れて       栞  冬
35  ひとり寝の布団に差せる月の影      葛  冬月
36    くしゃみをしてももどる静寂     茨  冬
二ウ
37 「やっほー」の「ほー」の形の口のまま   ね
38    ムンクに会いに渡るこの橋      水
39  人形の家捨て去りし女あり        栞
40    だれも人生書けば小説        茨
41  忘却は過去の美化には都合よく      蘭
42    チーズと云ひてVサインする     葛
43  同窓会ビンゴゲームで大当たり      茨
44    注目される括弧旧姓         栞
45  マンネリに飽きて手書きで年賀状     蘭  新年
46    ヘタウマ御免豚に似た馬       葛
47  新妻の手料理すべて創作で        水
48    蓙に陣取る丘の若芝         茨  春
49  花開く時を謳歌の果てもなし       栞  春花
50    捲土重来期して春眠         葛  春
三オ
51  世を忍ぶ仮の姿は陶芸家         茨
52    茅葺き民家で手打ちそば店      蘭
53  わが夢に妻おいそれと乗つて来ず     茨
54    リケジョにレキジョ多忙女子増え   水
55  デートでは話題もネットで下調べ     蘭  恋
56    ハネムーンの地に思はざる危機    葛  恋
57  襲撃の疑惑は永遠に闇の中        栞
58    山葵ひそりと隠し味にて       水  春
59  だめ元で手はみな試す花粉症       茨  春
60    かすめる月や昼のねむたさ      蘭  春月
61  大戸より入りし物盗り誰も見ず      葛
62    拍子抜けするビフォア・アフター   栞
63  原作を変へて感動なき映画        茨
64    柳の下に二匹めは居ず        水  夏
三ウ
65  端居して財布重たき客を待つ       ね  夏恋
66    汗さえ見せぬ白きうなじに      水  夏恋
67  紫のゆかり想ひて涙する         栞  恋
68    古典熟読寿大学           茨
69  かはらない若さの秘訣好奇心       蘭
70    血気盛んな相棒の範         栞
71  キャッチャーのサイン通りに球しずみ   水  夏
72    無欲が招く巨額契約         葛
73  リニア線過疎地ばかりを縫つて敷き    茨
74    障害物越ゑスノーボーダー      水  冬
75  氷上で聴き初む曲に翳ありて       栞  冬
76    ラジオかけつつ日永釣する      蘭  春
77  みづどりの澪をひきゆく花筏       茨  春花
78    あの世へ向かふ遍路道なり      ね  春
ナオ
79  あん住を打ち破り出て草まくら      蘭
80    お任せツアーは実にお気楽      茨
81  懐メロについ釣り込まれ唱和して     蘭
82    思はず腕を組んで睨まれ       栞
83  心せよここはウォールストリート     葛
84    山出しなれば宵越しの銭       水
85  国産の木材の良さ見直され        茨
86   「手に職つけろ」親の口癖       蘭
87  代々の田に水張り終ゑて映る月      水  夏月
88    蒲の穂ゆれてサヨナラを言ふ     ね  夏
89  ハンカチをそつと渡して汽車に乗り    栞  夏恋
90    おぼつかなしや末の変心       茨  恋
91  余計なる選挙昨今はやりをり       蘭
92    威信かけるも受くる冷笑       栞
ナウ
93  野良犬が街の通りにたむろして      茨
94    育ちの良さは隠しおおせず      水
95  ゴミ出しに背筋のばして令夫人      蘭
96    遠く白富士風光る坂         茨  春
97  入日差す愛宕の山に奴凧         栞  春
98    故郷おもへば鐘朧なる        蘭  春
99  身を任し川面たゆたふ花見舟       茨  春花
挙句    畔の柳新芽美し           蘭  春

・・・経過は#jrenga

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん

0 件のコメント: